「半分本気で半分冗談。だって私と藤堂さんの結婚の話が進んだら、浩くんだってこのしがらみから解放されるんだよ。」


自分で言っていて悲しくなってくる。
浩くんは私のために付き合ってくれているだけなんだ。


今の質問だって、きっと私が曖昧なまま進まないように、気にかけてくれてのことだろう。


「解放ってなに?僕は潤が思ってるほどお人好しじゃないよ。てか、解放されたいのは潤の方なんじゃない?」


私が解放されたい?


そんなはずないじゃん。
好きな人と一緒にいられる時間なのに。


「私のせいでこんなことになってるんだよ。もし、仮にそうだとしたら、もう浩くんにそのこと伝えてるよ。」


「でも、親に伝えてないんだよね?僕のこと。そしたら今日の話だってなかっただろうに。」


あまりに的を射た言葉に言い返すことができない。