「浩くん。」


そこにいたのは浩くんだった。


走ってきたのか肩で息をしている。


「どうしたの?こんなところで。」


「どうしたの、じゃないよ。あー、疲れた。」


もうすでに公園は通り越している。
浩くんの店に行くにも家に行くにも方向が違う。


「終わったら会えるかなって思って公園にいたのに、今日そこで降りなかったでしょ。」


「ごめん。もっと手前で車、降りてきちゃった。」


私の顔を覗き込もうとするのを遮った。
きっと顔に疲れがにじみ出ているだろうから。


「うん。知ってる。僕の家でご飯、食べよ。」


私の手を引いて歩き始めた。


私が公園の前を通ったのを見つけて追いかけてくれたらしい。