口をつぐんだままの私に再び声をかける。


「もし、以前一緒にいらっしゃった方と将来のことをお考えでしたら、社長に早めにご自分の口からおっしゃってください。そうでなければ、社長は直人様とのお話を進める気ですから。」


「私がなんと言おうと話はもう進めていますよね。」


今回一緒に食事を承諾していることから、もう私の意志を考慮するつもりはないに等しい。
一応、約束の期限まで時間があるから確認を取っただけなのだろう。


「ですから、早めにお伝えください。最終的にはご本人たちの同意を得られなければ話になりませんので。」


結婚に対して私の同意を得れるとでも思っているのかな。