「へぇーそれはそれは。でもこいつ結構ガサツですよ。家も片付けられないし、料理もめっきり出来ないし」

「朝比奈~……」

「ふぅん。美麻ちゃんと朝比奈くんは随分親しそうだね」

「僕と美麻は同じマンションで家も隣なので」

「へー、中学から一緒で就職先まで同じで家までお隣さんとは、それは妬けちゃうなあ」

「あ、でも僕の好みは美人でグラマーな女性なので勘違いのないようにして下さい。 腐れ縁って奴ですよ。
でも結城さんには本気でお勧めしません。こいつと来たら身なりは綺麗にしているかもしれないけど、ほんっとうに口も悪くって」

「ご忠告ありがとう。 けれど俺は自分の目で見て人の事は判断したいから。
朝比奈くんと美麻ちゃんがとてーも親しいのは十分理解したよ」

ちょ………
何この険悪な雰囲気。

互いに笑い合っているけれど、その間を流れる空気は黒く重い。
大河さんはグイっと私の肩を自分の方に寄せて、朝比奈に挑発的な笑みを向ける。