「偉いのは俺の母親の結城社長だろう。 大河って呼んでよ。
この間は強引にホテルの部屋まで連れて行ってしまって申し訳ない。
弁解をさせてもらおうと、今日は君を訊ねた」
小さく頭を下げて、こちらを上目遣いで見つめる。 なんてくっきりとしている二重だろう。日本人には、ここまで綺麗な平行二重の人間は中々いない。
ダークブラウンの瞳の色も綺麗だし、鼻も高く唇の形も綺麗。 けれど半分日本人の血も入っているせいか、そこまで男っぽくもなく中性的で美しい。
「俺をストーカーかなんかと勘違いしているかもしれないけれど」
そう切り出した彼の真っ直ぐな瞳。 こんなに綺麗なストーカーならば、世の女性の大半が大歓迎なのではないだろうか。
自分の身に降りかかっている現実が未だに理解出来ない。
「君の事は店舗で何度か見かけた事がある。
不躾ながら名前は勝手に調べさせて貰った。 LILI BULEでも高い売り上げを上げている優秀な社員だという事も知った」



