しおらしく見せていたかと思えば、頬を膨らませて可愛くない事ばかり繰り返す。

そんな私の知らなかった朝比奈を知ってきた最近。 そんな子供みたいな朝比奈が可愛くて、からかいたくて仕方がない。

もしかしたら、そんな私のちょいSな所も朝比奈は知らなかったんじゃないだろうか。 余りに愛しくて、からかいたくなるだけだったのだが。

ツンと顔を背け、意地悪な笑みを浮かべる。

「まあ、結婚したからといって一生一緒にいるとは限らないので」

「はぁ?!それってどういう意味だよ……」

「今はバツイチだって当たり前の世の中ですから。 三分に一組離婚してるんだってー?」

冗談で言ったつもりが、朝比奈は本気で怒りだしてしまった。 朝比奈のコロコロと変わる表情を見ていると飽きないし、ついついからかいたくなってしまうのだ。

15年間ずっといたのに、朝比奈がこんなに私を好きだなんて気が付けなかった。 でも考えてみれば思い当たる節は沢山あったわけで、振り返ってみると私はずっと朝比奈に惜しみない愛情を貰っていた。

そして結婚して夫婦になってからも、絶え間なく私の中に降り注がれた無償の愛情は感じている。