「じゃあ、私仕事に行ってくるね。」

「はいはい…。絶対に明日は帰って来いよな。 美麻の好きなニンニクたっぷりの餃子作るしさ。しかも皮から作ろうと思ってるし」

「明後日、土曜日で仕事忙しいのにそれはある意味嫌がらせね。暫く実家に帰ろうかなあ。 結婚式まであと数週間だし」

「なッ…それは駄目だ…!」

少しだけ意地悪を言うと、焦ったように立ち上がる。
そんな彼を見て、くすりと笑みがこみ上げていく。

「…それは、寂しい…。
本当は一日だって美麻が居ないのは寂しいんだ…」

素直な言葉を口にする度に、朝比奈は顔が真っ赤になっていく。 照れた朝比奈の顔が好きだ。

意地悪をいう所も好きだし、さり気なくディスってくる所も嫌いじゃない。 朝比奈の天邪鬼な言葉に隠された優しさを、知っているのだから。

最近の私のマイブームは、そんな朝比奈をからかう事だった。