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春はいつの間にかもうすぐそこまで来ていたんだ。 誰かに抱かれなくちゃやり切れない夜を何度も乗り越えて。
自分の中にあった弱さを、誰かの胸の奥で宝物のように抱きしめて眠る夜。 自分の弱さは、自分で乗り越えなくちゃいけなかったのに。
世界でたった一人の自分を自分で愛してあげられなかったのに、他人の愛だけを求め続けていた。
「良かった、来てくれて。」
早朝だと言うのに連絡をしたら大河さんは快くそれを受け入れてくれた。
心底ホッとしたような表情を浮かべると、小さく胸を撫でおろした。 不安にさせていたのかな、と思う。
今だけじゃない。付き合ってからもずっと。 大河さんと一緒にいても私の中の朝比奈が消える事はなかったから。
「ごめんなさい、連絡も返さなくって…」
言葉よりも先に大河さんは私をぎゅっと抱きしめた。 出会った頃と同じMISS LILIの香りが、そっと鼻先を掠めていく。
この人に抱かれて、心底嬉しかった記憶がある。
「そんなのは全然いいんだよ。もう会えないと思って不安になっていた」
「大河さん…」
春はいつの間にかもうすぐそこまで来ていたんだ。 誰かに抱かれなくちゃやり切れない夜を何度も乗り越えて。
自分の中にあった弱さを、誰かの胸の奥で宝物のように抱きしめて眠る夜。 自分の弱さは、自分で乗り越えなくちゃいけなかったのに。
世界でたった一人の自分を自分で愛してあげられなかったのに、他人の愛だけを求め続けていた。
「良かった、来てくれて。」
早朝だと言うのに連絡をしたら大河さんは快くそれを受け入れてくれた。
心底ホッとしたような表情を浮かべると、小さく胸を撫でおろした。 不安にさせていたのかな、と思う。
今だけじゃない。付き合ってからもずっと。 大河さんと一緒にいても私の中の朝比奈が消える事はなかったから。
「ごめんなさい、連絡も返さなくって…」
言葉よりも先に大河さんは私をぎゅっと抱きしめた。 出会った頃と同じMISS LILIの香りが、そっと鼻先を掠めていく。
この人に抱かれて、心底嬉しかった記憶がある。
「そんなのは全然いいんだよ。もう会えないと思って不安になっていた」
「大河さん…」



