「……!」
「うわ、びっくりした…」
いやいや、びっくりしたはこっちの台詞だ。
起きたばかりなのか、少し寝ぼけ眼な彼は瞼を指で擦り、洗面所にあった眼鏡をつける。
「昨日コンタクトつけたまま寝ちゃったから目が乾燥して痛い…」
「あ、ハハ。すいません、勝手にシャワー借りちゃって…」
大河さん、家では眼鏡なんだ。黒縁の眼鏡姿もとても似合う。 ポーっと見とれていたら、彼が下着一枚を身にまとい上半身裸なのに今更気が付く。
と、いうか…私だってバスタオルを巻いているだけでほぼ裸だ。 思わずその場にしゃがみこんで、身を隠す。今更手遅れだと思うが。
「いや、今更…」
笑いながら大河さんが言うけれど、今顔は真っ赤だ。 暗いベッドの中で抱き合うのと、明るい場所で裸を晒すの全然違う…!
大河さんもその場にしゃがみこんで、ジッと私の顔を凝視する。 …あ、あんまり近くで見ないで。粗が目立ってしまう。
「美麻ちゃん、スッピンでも可愛いね」
「いやあ、その、そうかなあ…」



