07「朝比奈に彼女が出来る時」




『やっぱりあの女、朝比奈の家に泊まっていた。』

今日は公休日。 家に帰って来て直ぐにメイクを落とし、昨日何となくマンションに帰りずらくなり、私が泊まった家の宿主である奈子にメッセージを送る。

昨日は散々奈子の家で、朝比奈の愚痴を吐いたのだ。 そして、大河さんの話を少し。

奈子はいつものあっけらかんとした調子で「付き合っちゃえばいいじゃん」と言った。 「ハーフの副社長とか素敵」とうっとりとした表情を浮かべていた。


メッセージの返信もせずにいきなり電話が鳴り、思わず体をビクつかせる。 着信相手は奈子だった。昔からメールより電話派だから掛かって来ることは何となく予想していた。

「もしもーしッ!」

「もしもし、何よ」

「何よはないじゃん。文字打つのダルイから電話にしたのー」

奈子は、ブライダル関係の仕事をしていて私と同じで休日は定まっていない。
なのでこうやって土日や平日問わずに時間があればお泊りをして朝まで飲んだり出来る。