胸糞が悪い。全然似合っていない、あんないけ好かない男になんて。
ハーフだかなんだか知らねぇが女みてーに綺麗な顔をしやがって、大体あれだけのスペックの男ならば、わざわざ美麻じゃなくたっていいだろう?!
言い寄ってくる女など星の数ほどいるはず。
「つーか、何で真澄ちゃんが俺のベッドに…」
起きてからずっと抱き続けている疑問を口にすると、彼女は不思議そうに大きな目を丸くする。
「だって、朝比奈さんが言ったんじゃないですか。一人は嫌だって」
俺、そんな事言ってたのかよ。覚えてねぇ。 これじゃあ、誘ったの俺じゃんか。
昨日の俺を殴ってやりたい。
後悔していた。そしてそんな俺の心をまるで読んだかのよう彼女は、言った。
「あ、でも何にもしていませんから安心して下さい。 私、そんな軽い女じゃないですし」
その言葉を聞いてとんだプライドの高い女だと思った。
男の家にはこうやって何の気なしに上がり込んで、ベッドにまで転がりこんどいて、そんな軽い女じゃないだと?



