ハロウィンの奇蹟


 「ひょっとしたら…ハロウィンのお陰かも」


 私と香苗のやり取りを見ていた宗一郎がそう呟く。


 確かに他ならぬ幽霊の宗一郎がそう言うなら信じられた。




 ならば。



 「じゃあハロウィン楽しみましょうか!」



 そう言って私は宗一郎に手を差し出す。

 宗一郎は驚いていたがおずおずと私の手を握ってくれた。


 手にはしっかりと宗一郎の手の感触。






 今日限りのハロウィンの魔法。