ハロウィンの奇蹟

 誤解が無いように言っておくと私は世に彷徨う霊魂を懇切丁寧に成仏させるような仕事をしてるわけじゃない。
 ちょっと前にも言ったけどただのどこにでもいる女子高生だ。

 ただ単に人よりもハッキリと『霊が見えて会話が出来る』だけ。

 だからたまに幽霊と知り合いになっちゃうだけのこと。


 そういう霊っていうのは意外と多くて普通に道を歩いてたらちょくちょく居たりする。

 普段は相手にしないんだけど彼女には話しかけてしまった。


 だって1週間も同じところでウロウロされてたら気になるじゃん。

 誰かに気に留めてもらうこともなく(霊だから仕方ないけど)オロオロと商店街のど真ん中で立ち往生してる姿を見たらつい声をかけてしまった。


 話を聞いてみたら『幸子』という名前で何かを探してる、だけどその探してるものが何だったか思い出せないときたもんだ。