ハロウィンの奇蹟

 つまるところ私の隣を歩く長い黒髪の女の人――、『幸子さん』(推定年齢20代半ば・色白美人)は人でなく幽霊。

 この世の人でなくあの世の人。
 こっち側でなくあっち側の人なのだ。

 『幽霊』っていうと足が無いイメージだけど実はしっかりあったりする。

 その代り影が無かったり足音がしなかったりするんだけどね。


 で、普通の人には見えない・触れない・声も聞けない彼女と普通に話をしている私に関してはノーツッコミでお願いしたい。

 普通の人より『ちょっと』霊感とやらが強いだけのどこにでもいる女子高生なだけだから。