「あ、そうだ。朴さんに渡したいものがあるんです」
「何?」
「ちょっと、林檎ちゃん私の話を無視しないの!」
「佐藤さんにもありますよ」
「え、何々!?」
一回り以上も年上で立派な大人なんだけど、単純なところがあるというか…よく言えば切り替えが早いというか。
ロッカーにしまっていた紙袋を2人に渡す。
「これはほんの気持ちです」
「釘宮さん、これ…」
「ちょっと、有名なお菓子じゃん!」
「返却は受け付けないです」
「そ、そんなことしないよ!でも、高かったんじゃ…」
と私のお財布事情を心配する佐藤さん達だけど、私がこれを上げたくて買ってきたんだから気にしなくていいのに。
「今度、3人でご飯食べにでも行きましょう」
「行く~。やだ、急に寂しくなってきちゃったじゃん。林檎ちゃんがこんな事するからぁ」
「私のせいですか」
「私も寂しいですよ」
と珍しく表情を見せた朴さん。



