ずっと気づかなかっただけ。

話終わる頃にはクラスメイトは揃い始めてて、

みんな心配してくれる。

「でも、あのっ、大丈夫」
「じゃない。」

太一にかき消されて、

言葉につまる。

大丈夫、

大丈夫。

そう言い聞かせないとチカくんに縋ってしまいそうな気がするから。

チカくん怖いよ、でも離れたくないって。

そしたらチカくんはきっとまたあの顔をするから。

もう、チカくんがあんな悲しそうなとこ見たくないもん…

悔し涙が止まらない私の代わりに、

なっちゃんと太一がクラスのみんなの対応をしてくれる。

「さっそく出番だね!」
「先輩でも関係ない!」

って盛り上がるから、

慌てて、口を挟む。

「あのっ!みんな気持ちだけで本当に救われるからっ、だからあの、」

「そうだね、ぶん殴るのは私と太一に一任してよ。みんなが何かしたら真白自己責任でどうにかなっちゃうからさ。」

なっちゃんが私の肩に手をポンとおいて、

続けて言う。

言いたいことをなっちゃんが言ってくれて、

ホッとする。

みんなにあの人と同じことしてほしくない。

…あの人に何か言うのは私しか。

あとで、なっちゃんと太一にもお願いしないと。