ずっと気づかなかっただけ。

「なっ!ちょっとなにこれ!」
「っ!」

「夏海ちゃん、それよりも結城さんお願い!教室連れてって!俺らで片付けするから!」

「…真白!大丈夫?とりあえず教室行こう?」

なっちゃんに支えられながら進む。

振り返ると、

片付けをしてくれてる太一とタケくん。

「ごめんね、」

涙が自然に溢れてくる。

悔しい。

「真白が謝ることなんて何もない。誰がやったの?私ぶん殴ってやるんだから。」

「…」

答えない私になっちゃんは何か言いかけてやめる。

「千景先輩にはバレないようにきた…でも髪の毛は隠せないよ…どうするの?」

「…」

この前のチカくんの悲しそうな顔が頭に浮かぶ。

あんな顔させたくない。

どうしたら…

教室で座って突っ伏してると、

太一たちが戻ってきてくれる。

「2人とも、髪の毛なんて、片付けさせて、ごめんね…」

人の髪の毛なんて気持ち悪いだろうし、

太一は私が髪の毛伸ばしてたのを知ってるから、

捨てるのにも躊躇いがあっただろうし…