ずっと気づかなかっただけ。

「太一も、やっぱりカッコいいねぇ。あざとカッコいい!だね、その格好!」

ふふって笑いながら答えると、

「質問の答えは?」

って真剣に返される。

あれ、今の褒めたつもりだけど、気に障った?

「チカくんは、…幼なじみで、と、特別だからそりゃ気になるよ!」

いつも通りに言おうとした言葉は、

昨日の夜を思い出して、

少し噛んでしまった。

顔赤くなってないかな。

「…面白くない。」

え、何が。

笑ってもらおうって言う気はなかったけど…

「千景先輩のこと、本当はどう思ってんの。」

ボソリと周りに聞こえないくらいの音量。

昨日の今日で私に突き刺さる。