ずっと気づかなかっただけ。

「ぜーんぶ、真白のことなんだけど?今までの俺の話ちゃんと聞いてた?」

視線の先のチカくんは、

私が付箋をつけた問題の横になにかメモをしながら言う。

…?

「どう言うこと?…わかんない」

「…本当、バカだな。ゆっくりさっきまでの話を振り返ってろ。終わったら教えて。」

笑って私の頭を撫でながらチカくんが言う。

文句や疑問を言う前に、

チカくんが、

「はい、スタート。」

って言うから、

さっきまでのことを思い出す。

えっと、チカくんに彼女がいて。

あ、違う。

チカくんにくっついたら怒られて、

彼女になってくれるならいいって言われて、

チカくんの彼女がいたことが発覚して、

チカくんにずっと好きな人がいて、

その人が特別で。

特別?

あれ、さっきチカくん…

『真白しか特別って思ったことないけど。』

って…