え!

チカくん好き!

ってあれ、

「でも彼女いたって…お、女の子遊びはダメだよチカくん!」

思いついたことを言ってチカくんの肩を持って、揺さぶる。

「落ち着け。そうじゃなくて、俺も向こうも他に好きな人いたけど、寂しさ紛らわすというか…まぁそんな感じで付き合った。でもすぐ別れたって話。」

そ、そんな大人なお付き合いをしてたの?

大人って表現は違うかな。

なんていうんだろう。

自分には未知の世界で。

「好きな人は、チカくんのこと好きじゃなかったの?チカくんが振られるなんて、ありえるの?」

分からなくて聞くと、

チカくんは、ため息。

うう、ごめんなさい。

「…好きな種類が違いそうだから言えなかった。振られるなんてってお前は俺をなんだと思ってるわけ?」

「好きな種類…うーん、難しい…。だってチカくんは完璧というかなんというか、私の推しで幼なじみだもん!」

チカくんはまたふか〜いため息。

「そういうとこだけどね。」

そういう…とこ?

「…チカくんは今もその人が好きなの?」

あ。

言葉にするとずんと何かが心にのしかかってきた。