ずっと気づかなかっただけ。


眠れなくて、

もやもやぐるぐるしてると、

日付が変わる前ころに、

隣から物音がする。

帰って、きた?

色々言いたいことはあるのに、

なんで、自分が行かないといけないのか、

という変な意地でうごけない。

すると、しばらくして、

コンコンと、窓がノックされる音。

いつもなら、飛びついて開けて、

チカくんを中に招くけど、

久々にチカくんから来てくれたのに、

やっぱり動く気にはなれなくて。

『真白…?寝てる、よな?』

チカくんの声。

それでもやっぱり動けなくて、

気づかないふり。

しばらくしたら気配がなくなる。

…戻っちゃった。

自分が出なかったくせに、少しチクッと胸が痛む。