ずっと気づかなかっただけ。



「っ、綾さん何教えてんのっ」

「ち、違うの!お兄ちゃんもチカくんも私にそういうこと教えてくれないから、私が綾さんに聞いたのっ」

チカくんは色々いいたそうな顔をして、

私の頭を撫でながら深く息を吐く。


「真白は、知らなくていいよ。無理しなくていい。」

その言葉に、

やっぱり綾さんに聞いておいてよかったし、

これからも恥ずかしいけど、

お勉強させてもらおうと思った。

「や、やだっ、私も知りたいっ」

まだ立ったままのチカくんの腕を引いて、

前のめりになったチカくんに、

少し立ち上がってキスをする。

「私だけ知らずに、は、いやだっ。私だってチカくんにもっと触れたいし、知りたい。」

チカくんは固まる。