ずっと気づかなかっただけ。


「あ、ありがとう。」

「…」

チカくんは何を話すか考えてるのか返事はない。

…私から話そう。

「あの、ね、昨日はなっちゃんの家に泊まってすぐ帰ってきたよ。太一とタケくんとはお店でバイバイしたよ。」

「…そか。」

「太一の件、話してなくてごめんなさい。チカくんが熱出した時で、」

太一の話をする。

「それで、チカくんのことが好きって伝えたよ。それから、昨日急に怒ってごめんなさい。」

全部お話しする。

もっと一緒にいたいって思ってたこと。

チカくんも同じ気持ちだったらいいなって思ってたこと。

チカくんに、『あんなの』って言われてショックを受けたこと。

「でも、綾さんが教えてくれたの。私が何も知らずにチカくんが私を大切にしてくれようとしてたのに我儘言っちゃってたんだよね。ごめんなさい。」

色々全部思ってることを伝えたらスッキリした。

チカくんの方をみる。