ずっと気づかなかっただけ。


「…勉強しとくから、話してくれば。」

クマさんがチカくんと私に声をかけてくれて、

『千景先輩、今度パフェ奢ってくださいね。結果次第では太一連れてマジで行きますからね。』

なっちゃんの声がする。

あ、スピーカーは止めたけど通話中だった!

「なっちゃん、ありがとう…」

『ん!泣かされたらすぐさま連絡しな!』

お礼をまた伝えると、

じゃっ、て電話がすぐに切れる。

チカくんは私を抱えたまま、

部屋の中に入って、

「ちょっと抜ける。」

とみんなに伝えて、

私に喋らす暇もなくリビングの方に進んでいく。

リビングのソファに優しく私をおろしてくれる。