ずっと気づかなかっただけ。

チカくんの表情を伺おうとすると、

すっごい至近距離にチカくんの顔。

キュッと目を瞑る。

数秒しても予想してたことが起きなくて、

うっすら目を開けると、

チカくんがなんとも言えない顔をして、

私の頭を撫でて歩き出す。

私の緊張は少し空振り…

「…真白、ありがと。」

聞こえるか聞こえないかの声。

慌てて、その背中を追いかけて飛びつく。

「っいて!勢い強すぎっ!」

そのまま引き摺られるように、

チカくんに抱きついたままついていく。

ついたのは校舎の隅の外階段。

校庭では他のチームがサッカーや、他の競技をしてるのが見える。