ずっと気づかなかっただけ。


「わかった、いく。」

チカくんが片手を上げて返事をして、

私たちの後ろにいたさっきお話した人たちがゾロゾロとフロアの中へ。

あ、みんなバスケにでる人だったんだ!

とか呑気に構えてると、

「真白、見てく?なら、やる気出すけど。」

チカくんが私の頭に手を置いたままいう。

「…やる気出さなくていい。」

「…どうした。」

いつもみたいに、うんっ!って全力で頷かない私にチカくんが目をパチパチさせて、

私の顔を覗き込む。

「っ、クマ、任せた!」

「…今度、飯。」

「了解。高木ちょっと真白と回ってくる、サッカーには戻すから。」

えっ!

ぽんぽんと話が進んでチカくんが私の手を取って歩き出す。

なんか、前にも似たようなことが…

なんて考えてるうちに、

校舎の中に入っていって。