ずっと気づかなかっただけ。

「…災難だな。」

チカくんが軽く笑う声がして、視線をチカくんに戻す。

え!笑った!?

びっくりして二度見してしまう。

チカくんの笑顔を見た回数は自分でも、

私が1番多いはず!なんて思ってたけど…

根拠のない自信がぐらぐらと揺れる。

…なんだか気分が沈んできて、

下を向いて、会話が終わるのを待つけど…

「今日の課題の…」

2人の会話はだいぶ続いて。

チカくんの手が握られたままだったから、

少しぎゅっと力をこめる。

「っ、真白?どうした?」

チカくんが気づいて声をかけてくれる。

けど、なんて言えばいいかわからなくて、

首を横に振る。