理解できずにいると、

チカくんが

「こっち、次さぼるぞ」

って私の手を掴んで歩き出す。

さ、さぼり?

初めてでソワソワしてしまう。

でも、

繋がれた手を見て、

息が漏れる。

よかった、

まだチカくんの近くにいれる。

連れてきてくれたのは、

弓道部の部室で。

「え、いいの?大丈夫?」

「いい、それより真白、こっち。」

ベンチに座ったチカくんが手招きする。

近くによると、

腰を思い切りチカくんの方にひかれて、

チカくんの足に乗り上げて座るような形に。

「ち、チカくん、重いよね、ごめんね!…恥ずかしいっ、」

降りようとするのに許してくれなくて、

そのままチカくんが私を抱き寄せる。

「チカくん?」

「真白、ほんと、ごめんな。」

っ!

私はチカくんの肩を押して少し距離を取る。

「本当に、チカくんのせいとかじゃないから、謝らないで!」

チカくんの手がゆっくり伸びてくる。