ホッとしたのもつかの間で、

身体があったかいものに覆われる。

「わっ」

バランスを崩しそうになるのを支えてくれるのは、

私を抱きしめてる本人で。

「真白っ、」

チカくんの泣きそうな声。

「大丈夫だよ、ごめんね、心配かけて」

「俺のせい「違う!チカくんのせいじゃないよ?」」

何も言わずに私を強く抱きしめるチカくんに戸惑う。

こんなチカくん初めてで。

「あのっ、チカくん、少し苦しい」

「うるさい。」

「え!」

チカくんを引き摺るようにして、

なっちゃんたちの元に戻ると、

「無理、しないでよ、」
「髪飾りよかったね、ほんと、よかった」

なっちゃんとタケくんが安心した素振りを見せてくれて。

なっちゃんたちにも、クラスの子達にも、

お礼を言うと、

みんな笑顔を見せてくれて。

ホッとする。

後で、改めて何か感謝を伝えたいな。

「結城、頬、大丈夫か」

伸びてきた太一の手。

「触んな。」

チカくんがはたき落とす。

「なっ、千景先輩うざいっす!」

「うるせえ。」