ずっと気づかなかっただけ。

「あ、もしかして『真白』ちゃん?」

え、知ってるの?

そういえばチカくんと入学式のコサージュの話をした時見かけた気も…

「そうです。この子が真白です。美波さんも千景先輩と同じクラスだったんですね!」

あれ、お知り合い?

「弓道部の先輩」

首を傾げてる私にこっそりと太一が教えてくれる。

あ!そうなんだ!

太一が軽くお辞儀して挨拶するから、

私も軽くお辞儀する。

「この前は少ししか見れてなかったけど、こうやって目の前にすると、聞いてた通り真白ちゃん可愛いね!!」

ん?聞いてた通り?

首を傾げてる間に、

「千景ー!」

美波さんがチカくんを呼んでくれる。

…呼び捨て、なんだ。

仲良しなのかな?

チカくんがその声に反応してこっちに歩いてくる。