「気づいてないの? 気の強い年上ばかりねらうでしょ。だから驚いたの、四条畷には。あいつ、卒業したかね? シスコン」
「…………」
 え…えっと。
 こたえようがないのですが?
「さて。雑談終了。今までなにやってたのさ」
「…………」
 むむむ。
 それを言われると…な。
「最初は真面目に考えてたんだよぅ」
 でも、あんまり空がキレイだったから。
 (じゅん)は白い短パンのポケットに両手をつっこんで、ゆっくりベンチをまわってくる。
 迷わず、わたしの横に。
 視線をさえぎるものがなにもない、ぽっかりした日溜まりのベンチは、ぬくぬくと陽を浴びて、リポート用紙が風でぴらぴら、本当にいい気持ち。
 準は、さっとリポート用紙を持ち上げて。
「あっちっち!」
 腰を下ろすとすぐに太腿(ふともも)をこすりながら飛び上がった。
「あははははは」
「なんだよ。知ってたな」
「わたしもさっき座ろうとして――。熱いのにびっくりして、とびあがったもん。おそろい。うれしいでしょ?」
「うれしくない」
 ぼそっと言って、今度は慎重に掌で座面をこすってから腰かけた。