柏原の要件を終えて、僕は教室へと足を向けていた。
夏の昼、太陽は高くやたらに眩しい。


そのまま教室へと戻ろうとしたが、メシを途中に買った方が楽だと思った。
だから、今は…売店で品定め中。




「すんません。これ、ください。」

僕が差し出したのは、菓子パン2つと紙パックのコーヒー牛乳だった。




教室の窓際の一番奥。
僕のいつもの位置で、パンをかじりながら…2階から見える外に目を向けていた。




「あ…」


「んぁ、どうした?」



「香月か…」



名前 香月 尚貴 (カツキ ヒサタカ)
年齢 16才
性別 男性
職業 高校生


「なんだよ、香月かって…」




「どーした?らしくないぞ。」



「らしくないって、なんだ、それ…」



「ごめん。悪かった…遙斗くん。」



いつも香月とは、そんな感じ。
だから、かな…なんか安心する。


「なぁ…最近、転校生とか来たか?」



「なんだよ…急に。…そんなこと言われても…。確か…なかった気がする。」



「そっか…。」



心の中で、深い深いため息をもらしていた。雲は穏やかに、風に運ばれていく。