蘭が学校内に入った時、人の気配は一切感じなかった。しかし蘭たちが教室を出るまでに、大勢の武器を手にした男たちが学校内に姿を見せている。

蘭は廊下を物音を立てずに走っていく。しかし、子どもたちは足音を立ててしまうし足も遅い。これでは敵に居場所を教えているものだ。

蘭が子どもたちを連れて走っていると、教室のドアが急に開き、拳銃を手にした男二人が姿を見せる。

「教室に入ってください!」

蘭は子どもたちにそう命じ、走り続ける。男二人が発砲した弾を避け、蘭は男の間合いに入り込むと拳を腹に叩き付ける。そしてもう一人も地面に投げ倒した。

「きゃあぁぁぁぁ!!」

「うわぁぁぁぁぁ!!」

ホッとしたのも束の間、子どもたちが入っていった教室から悲鳴が聞こえてくる。蘭が教室に入ると、鞭を手にした男が舌舐めずりをしながら近づいてきた。

「誰一人、傷付けさせません!」

蘭は素早く子どもたちの前に飛び出し、攻撃体制を取る。男は「いいなぇ。そういう子、好きだよ」と言いながら鞭を振り下ろした。