家に帰ってきたみくるは荷物を置くとすぐに
屋上へ上がった。
昼間の屋上に来るのは初めてで、いつもと違う
風景に、少しがっかりしていた。

『夜の方が……キレイだなぁ』


けど、何故だろう…

いつもの場所に行きたくなった。

フェンスを乗り越えた、あのギリギリの場所に。


『はぁぁ……私、まだ生きてるんだなぁ…』


あと1歩……その先には何があるんだろう。

『大人って…苦しぃ……』


その時ポケットのスマホが震え、画面を見た
みくるは少しだけ躊躇したけれど電話に出た。

『…はぃ』