翡翠の森


もう何度、この声を恋しく思っただろう。


「久しぶり、ジェイダ。……待った? 」


恐る恐る彼を見れば、恋い焦がれた青い瞳が不安げに揺れていた。


「……当たり前だよ……っ」


こくこくと頷くと、彼はほっと息を吐いた。


「ごめん。でも、僕も待ったんだよ。……気が狂いそうなくらい、待った」


彼も恋しがってくれただろうか。
他の相手を見つけたらなんて、あり得ないことを考えて不安になった?

(でも……私も)

寂しかった。
怖かった。

それでもどうにか、彼を思い出して。
薄れていきそうになる度、願ったのだ。

早く再会できますように。
これ以上、記憶が曖昧になる前に、どうか――。


「ロイ……っ……!! 」


たかが半年。
けれども、もう止まらなかった。

もがき苦しむくらい、恋しくて恋しくて。
堪らなく会いたかったひとが、今そこにいるのだから。


「ジェイダ……」


抱き締めてくれる腕は、以前よりも力強い気がする。


「……本当にどうにかなりそうだったよ。考える時間がありすぎて、情けないけど何も出てきやしない。……だから、単刀直入に言う」


拒否権など与えないといように、彼が顎を捕らえて離さない。


「結婚して。いい加減僕のものになってくれないと、おかしくなる」


それは彼の言う通り、少々飾り気も甘さも欠けたものだったけれど。


「喜んで……! 」


ジェイダにとっては、最高に幸せなプロポーズだ。