翡翠の森


「陛下は為すべきことをなさいました。……ただ、それにすぎないのです」

「もしも、貴女がまだおかしな真似を続けるのなら。言ったとおり、私は貴女を殺さねばならない」


ただその一言がほしいと、早く罰してくれと。
そう言いたそうに見える彼女に、この十字架がどれほどの重さになるのか。


「……私にそうさせるな。エミリア」


それでも、言わずにはいられなかった。
――これは罰なのだと。


「はい。まるで意味のない言葉かもしれませんが、どうか言わせて下さい」


足下に跪かれ、アルフレッドは初めて狼狽した。


「もう二度と、貴方を裏切ったりしません」


――彼女の口からそんな言葉が出てくるとは、予想だにしなかった。

それを信じることは許されない。

その涙が、本物かどうか。
もしも今後、本当の意味で結ばれることがあったとしても。
この先ずっと、ほんのすぐ側で疑っていなければいけないのだ。

ともに、それは辛いだろう。苦しいだろう。だとしても――……。

床に伏したままのエミリアを無理やり立たせると、まるで引き合うように唇が重なる。

――夫婦が交わした、初めての口づけだった。