翡翠の森


「二の舞になりたくなければ、おかしな気は起こさないことだ。……確かに私は、非情にならねばならぬ時もある」


男は恨み言を吐きながらも、出ていくことにしたようだ。
我が身に代わるほどの、忠誠心はないということだろう。


「これから更に忙しくなる。……宿下がりでもしたらどうだ」

「……陛下!? 」


キースが非難の声を上げる。
それは想定内ではあったが、驚きのあまりかエミリア自身の反応はない。


「反逆という大罪ですよ。そのような者を逃がすおつもりですか。せめて、警備の厳重な……」

「……逃げはしません。叶うなら……」

「ふざけたことを。陛下を陥れようとした者をお側におくなど……」


至極もっともな意見を遮り、アルフレッドはどうにか声を振り絞った。


「……その時は、私が殺す」


至極もっともな意見を遮り、アルフレッドは声を絞り出し、部屋を後にした。
茫然としたキースを放り、迷った末にエミリアに後を追わせながら。