「……エミリア」
詫びることはできない。
仮に――仮に初めて会った時よりも、彼女に情があるのだとしても。
同じことが起きれば、何度でも同じ決断を下すと断言できる。
それでも、彼女の方へ体が向くのだ。
罪人とはいえ、父殺しの仇である男を責めもせず――必死で泣くまいとしている妻の方に。
「それくらいにして頂きましょうか」
冷たい声に振り向くと、そこには同じく信用していなかった男がひとり。
「卿は北に討たれたのです。事が露見したのを悟り、早々に手を打ったのでしょう。あなた方は、使い勝手のいい駒にすぎなかった」
「……っ、何だと!? 」
「やめなさいと言っているでしょう! 」
北がバレたのに気づき、口封じを謀った。
その事実の他に、何か意味があるにしろないにしろ、ゴールウェイが取れる手段はひとつだけだ。
「陛下のご恩情を噛み締めて過ごしなさい。でないと、今度は私が手を下します。北に頼むまでもなく」
脅しなどとは微塵も思えない、はっきりとした発音でキースは告げた。



