「時期が良すぎたのです。前国王が臥せられたのも、アルフレッド様の即位も、私の存在も……何もかも」
音を立てて崩れ落ちる、最悪の重なり。
エミリアにも、そう感じられるだろうか。
「……だとしても、利があるとはとても思えん。見事トスティータが落ち、北がこの一帯を支配したとして、ゴールウェイはどうなる? 」
「……私はこの後、北の誰かに娶られることになっていましたから」
トスティータとクルル。
ふたつの国が消滅しても、彼らは残るのだと。
「本気でそう信じているのです。……愚かなことですが……それでも、私が生まれた家ですから」
北に受け入れられるどころか、捨てられる可能性の方が随分大きいと思う。
それでも、やるより他なかった。
それは確かに、エミリアの弱さだ。
「あちらの王子達は、私やキャシディとは比べ物にならないぞ。……荒くれ者だと聞く」
そのようなこと、国として見れば何の意味もないのに。
無意識に発した言葉に、エミリアは泣き笑いを浮かべた。
「どうなってもいいのです。私は傀儡で……終わってしまえば、人形ですらないのですから」
そう決められていた。
ジェイダと同じように、彼女の人生も同じく。



