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「ああ、どうも。お騒がせしました」
もうこれで何人目だろうか。
気絶しているジェイダを抱えていると、目立って仕方がない。
チラチラと見られる度、ロイは笑顔で挨拶していた。
「いちいち、反応することないだろ」
レジーの言うように、誰一人として返事をしてはくれない。
たいてい目を逸らされてしまうし、小走りに逃げる人も多かった。
「でも、騒がせているのは本当だし。それに、ジェイダも頑張ってくれてたよ」
彼女が向こうで頑張ってくれたこと。
それを無駄になどしたくはなかった。
「代わろうか? 」
ジェイダを抱いて歩くのは、これで二度目だ。
あの時は距離的にも近かったし、今日は彼女の意識がない分、重く感じたりもする。
「……いいよ」
答えを知っていて問われているのも分かっていたが、返事は同じだ。
「ロイ様……!! 」
ドアを開けるなり、二人が突進してくる。
「ジェイダ……!? 」
腕にいる彼女を見て、真っ先に覗きこむジンが微笑ましい。
自分よりも、まずジェイダを心配してくれるのが嬉しかった。



