クールな彼の甘苦い罠






「 だから? 」

俺は 少し強がって平気なフリをするけど


「 あー!もうバカ!
 はるのこと好きなんでしょ? 」


って イライラした様子の足立、


「 あいつが藤野のこと好きなら
 俺はどうにもできねーし 」


迷うってことは そういうことだろ。


「 ほんと平石むかつく!!」

「 はー? 」


「 今日 菜桜が部活終わるの、はる教室で待ってるから。
 平石に仕方なく譲ってあげるよ 」


って、乱暴に言ったかと思うと


「 部活終わり、行かなかったら
 あんたのこと一生恨むからね!! 」


って 恐ろしい言葉を言い残して
足立は去っていった。




部活の休憩中、
足立とのことを稜矢に話すと

「 よく言った!菜桜ちゃん。」

って 関心しているけど 全然関心するとこじゃない。


「 久々だし 告白されたとか聞いて
 何話したらいいかわかんねー 」


これが俺の本音だ、


パッと抱きしめて 手に入れられるならとか思ってしまう俺はずるい。



「 がんばれよー 」

って 稜矢は他人事。


結局 すぐに部活も終わり着替えて 「 よっしゃ、いってこい 」

って 稜矢に背中を押される。



俺は 自販機でイチゴミルクを買って
教室まで向かった。