クールな彼の甘苦い罠





女に俺から絡めば すぐにその気になるけど

松木は違う。


強気で素直じゃなくて、人見知りだし
たまに見える人懐っこさや可愛さがたまらない。


手を出せば手に入る存在じゃない。



あの日も、

俺は 松木だから姉ちゃんを紹介して
親がいないことだって話せた。



気がつけば 松木のことばかり考えていて
手に入れたいと思う反面、

手に入れることが怖くて仕方ない。





「 ねえねえ!平石 ちょっと!! 」


天音とは悔いなく関係を終わることができた。


あとは、、


俺は 部活へ行こうと終礼後に教室を出ると
後ろから 小走りで来る足立。


「 なに? 」

「 ちょっとこっちきて! 」


って 腕を引っ張られて 廊下の片隅


足立はキョロキョロ周りを見て

「 昨日 、藤野が告白した。」


って 少し小さな声で俺に言う。


その言葉にドクンと胸が痛む気がして、


「 … ねえ。あの噂 嘘でしょ?
 この前も天音ちゃん 来てたけど 」


天音が来て、話した日から1週間ほど経った。


「 あぁ、何もない 。」


「 はる、まだ返事してないの。悩んでる 」


その足立の言葉に俺は少し余裕なくなる。


悩むってことは 少しは気があるのか?