あの日、、

『 俺は天音だけってずっと思っ…ッ、おい。』


俺が油断した隙に 天音は抱きついてきた。


その瞬間は少し心臓が高鳴る気がした。



だけど、冷静になれば
こんな堂々と、、


それに、『 勘違いされたら困るから 』

そう言って 天音をすぐに引き離した。

天音も『 ごめん 』って。


もう、遅いんだよ。
俺は 天音より松木を好き、、、だから。



それなのに、次の日学校へ行けば
俺と天音がキスをしたって噂が流れて。



きっと松木にもその噂は流れているはず。


だけど その噂を知っている確証もないし、

別に松木にとっては どうでもいいかもしれない。



なによりも 席が遠く 、話しかける勇気も話題も分からない俺と


仲良く楽しそうに話す松木。



俺は天音以外、好きになることはないと思ってた。



半年程前、天音にフラれて 寂しさを紛らわすためだけに先輩と遊んでいた


あの日ーーー、松木にキスした日

天音に彼氏が出来たって聞いてイライラしていた。


先輩には彼氏がいて、そこを指摘する松木は正しいのに許せなくて

だけど 正論を言う彼女を少し良いと思った。



俺は 親もいないし

いつも 俺を好きだと言う女は 俺の機嫌を取るだけだから。