「 やっぱ悔しいー。
 天音からフッたのに やっぱり紫月が他の子の彼氏になるとか辛いよね 」


天音を見ると 眉を下げて 言うから

たまらない気持ちになった。


俺がフラれてから どんな思いでいたか。


「 天音はすぐいい人見つかるよ 」


俺はコーヒーを飲み干して

「 じゃ、俺行くわ。話せてよかった 」


席を立ち、天音の横に置いてあった伝票を手に取った。


そして、最後に


「 幸せになれよ 」


って 天音の小さな頭に触れる、

顔を見るときっと帰れなくなるから
俺は スッとその場を去った。



中学2年から付き合って、

高校が別々になり お互いの束縛が激しくなった


喧嘩も多くなり

『 紫月と付き合わなきゃよかった、別れたい 』



そう突然フラれた。


何度も引き止めたけど
『 紫月は恋愛向いてない。』


って その頃の天音は冷たくて、

喧嘩別れをした。


だけど、この前の試合後に天音に言われたんだ。


『 あの時 本当は別れたくなかった。
 余裕がなかったのは私、ずっと後悔してた』


って。


『 まだ紫月のことが好き 』


そう言われて 俺の手を握った天音、


俺も握り返しそうになったけど
それはできなかった。