クールな彼の甘苦い罠






「 付き合ってんの? 」

少しして、お姉さんがキッチンから私たちに聞く。

私は食べてたトマトを詰まらせそうになりながら

「 付き合ってないです!! 」

必死に否定する。


「 そっか〜。咲良は遥野ちゃんが紫月の彼女になってほしいんだけどなあ 」


お姉さん!!それは ここで言わないで!!

なんて思いながら、


「 私なんか無理です!」

って全力で首を振る。


「 えー、なんで? 」

「 平石はモテるし、私なんて釣り合わないです。仲良くしてもらえてるだけで… 」

「 はよ食え バカ 」


って 私が一生懸命にお姉さんに伝えてるのに
平石は遮って、それにバカって……ひどい



「 バカじゃないしー。」


私はボソッと呟くと

「 はー? この前のテスト 赤点ギリギリって言ってたのは誰ですか? 」



それとこれは別じゃん!!


私はムッとした顔で平石を睨む



「 紫月 成績いいんでしょ? 教えてもらったら? 」


お姉さんは 私の横に椅子を出してきて座っている。


たくさんお客さんがいるのに自由だ


「 … 教えてくれる? 」


私はお姉さんにのっかり、平石に聞くけど

「 絶対いやだ 」

と、返されるだけ。