クールな彼の甘苦い罠






「 ねぇ、俺の最後のシュート見てた? 」


「 … かっこよかった。」

「 惚れた? 」


って ちょっと意地悪そうに笑うから、


「 ぜーんぜん。」

って 笑って見せる。




「 … ねぇ、松木。」

「 んー? 」


いきなり、呼ばれて戸惑う。

「 この後、じ……
「ねぇ、 紫月。」


平石が喋ってる途中で、
後ろの方から女の子の平石を呼ぶ声


「 … 天音 」

振り返って、平石が呟いた名前。


そして、私たちの前にまわって

「 紫月、ちょっと話したい 」

って 平石の元カノは 平石へお願いする。



「 今 、俺ら話してるんだけど 」

ちょっと口調が強くなり、表情も険しくなる平石


そして 「 ごめん 」と俯く天音ちゃん。


この空気、最悪と思い


「 … あ。じゃー、私行くね。」

と、お菓子の入った袋をパッと渡し、
その場を去ろうとすると




「 … 松木 」

って 呼ばれて、

「 ちょっとだけ待ってて。
 正面玄関、すぐ行くから 」


って 早口で言う平石。


え、、動揺する私と、

返事など聞かずに

「 何?… 手短でお願い 」


って 少し強い口調で言う平石。




私は その場をすぐに去り 正面玄関へ向かった。