クールな彼の甘苦い罠





「 … 顔 真っ赤。どうしたの? 」

って 距離を詰めて 私の顔を覗き込んでくるのは意地悪。


「 どうもしないよ!!」


「 で、質問。全然答えてくれない 」


って もう完全に平石のペースにやられている。


「 … それ、飲んでいいよ。後 これも食べて。
 甘いの嫌いとか言うから わかん… ッ!!」
「 … はいはい。可愛いね、」


平石は距離を詰めて、私の頭に手を置き
顔を覗き込んでくる。


それだけでキュンとしちゃう私。


「 汗臭かったらごめんな 」


そう言うけど 全然汗の臭いなんてない、

あんなに試合してたのに。


いつもの 平石の匂いだ。



あ………

平石が地面に置いてるカバンが開いていて

たくさんのスポーツドリンクとお菓子、
それに 手作りのお菓子も入っている。


なんだ、、そうだよね。貰ってるよね 。


「 飲み物もお菓子もいっぱい貰ってんじゃん。
 ほら、離れなよ。 」


分かってたけど 見てしまうとダメだ。

ちょっと辛くなった。


「 俺は 松木からのお菓子と飲み物が一番嬉しいんだけど? 」


「 … 嘘だあ 」

「 ほんとだけど?、ほら、俺の方見てよ 」

って 顔の向きをくいっと変えられて、
すぐ近くに平石の顔、


「 … 分かったから 」

あたしはその近さに耐えられず 納得してみせる、