あの時、松木を都合のいい相手にしようとしたのは事実。



松木には気持ちがあると同時に
特別な存在になるのが怖い。




もちろん、それからも松木と藤野はずっと喋っていて
その光景がよく目に入る


距離が近い時もよくあって、
悔しくなるんだ



「 良かったじゃん。遥野ちゃん来てくれるんだろ? 」


部活のため稜矢と体育館へ向かう。



「 がんばれる 」

俺はボソッと呟くと

「 紫月〜 お前 可愛いなあ 」

「 やめろ 」

って 稜矢が暑苦しく肩を組んで頭を撫でてくる



「 紫月、遥野ちゃんには素を出せてんじゃん?」


って 俺の1番の理解者でもある稜矢の
言うことは確かに間違いないんだ


「 松木は俺の機嫌取らないし。
 思ったこと言ってくれる。」


そう、大概の女の子は俺の機嫌を取るために
思ってもないことを平気で言うし

間違ってる事も間違ってると言ってはくれない。



松木は違う。
俺に反論だって出来るし、
ちゃんと思ったことを伝えてくれる。



だから惹かれるんだと思う。