クールな彼の甘苦い罠






答えが怖くて、また目線を逸らす。

私が言った言葉に返事はなく、

絡まった指を離そうとするのに、
力を緩めてくれない

むしろ、更に深く指を絡めようとする平石


… 何考えてるの。


「 … じゃ、俺のこと嫌い? 」


しばらくして沈黙を破ったのは 平石で、


その言葉の本音は何なんだろう。



「 … 今の平石は嫌い 」

簡単に口から出てきた言葉。

平石は何も言わずこっちを見てる。


「 平石は私に簡単に触れるから、、

 … 触れられると好きになっちゃう 」



平石がどんな顔してるか怖い


返事も返って来ない。





「 はぁ。
 ほら!私が好きになる前に離れなよ。」




どうしたらいいか分からず、
わざと笑顔を作って明るく平石に言う。


自分から距離を取って

「 これ反則だよ? 」

って 絡まった指を顔の高さまで上げて笑う。


平石の表情は全く読めない

私は自分から指を解く

「 大事なんでしょ?ちゃんと仕舞っておかないと 」


って、元カノとの写真を平石に渡した。