クールな彼の甘苦い罠







「 終わったー。片付いたね 」

最後に机を布巾で拭いて片付け終了!


私はさっきのことはなかったかのように振る舞う



「 疲れたー 」

平石はテレビの前に置いてあるソファに
ドカッと腰掛ける


ソファの横に座るのはできない、だから

私はソファにもたれるようにして床に座り
平石と一定の距離を保った。


特に何かを話すわけではない、
元々、お互い口数少ないのに
こんな部屋に2人なんてありえない。


……あっ。

「 … ねぇ アルバム、見ていい? 」

テレビラックの端に立てかけてあるアルバム

私は指差して聴くと 「 あぁ。」と答える平石。


私は中学の卒業アルバムを最初から見ていく


所々にやんちゃそうな平石の姿があり、

昔から容姿は整っていたんだと感心しちゃう



「 この頃から背高かったんだ。
 この写真、すごいかっこいいじゃん 」


部活動のページには
バスケの試合をしている写真、


バスケ部の平石と稜矢くん、

2人が真剣な姿が写っていて、

「 … 試合見てみたいなあ 」


と、無意識に呟いた



「 … 来れば? 」

「 へっ? 」



平石の声に思わず振り返ると
「 は? 」

と、不機嫌そうにこっちを見ている。